・    西成国際連邦     ・


・     抵抗      ・

「あのオッサン、なにぬかしとんや。ホンマに腹たつなあ。」
「まあ、こんだけの人数さろたんやから、日本の外務省も黙ってへんやろ・・・」
 いろいろな不平不満の中、9人それぞれが、ウージーを持った兵に案内されながらブリッジの一階下にある特別船室へと案内された。ひとり本間だけが抵抗したが五人の兵が持つウージーによって黙らされた。
 特別船室というだけあって室内は真っ赤な絨毯が敷きつめられゆったりとしたソファーが置いてあった。
 キッチンには一流の酒や食事があり船の外観からはとても想像もつかないような豪華さであった。
 重いドアが閉じられ「ガチャン」と全員の部屋に鍵がかけられた。
 「あーあ通天閣のネオンが遠くはなれていきよるわ・・・」
 丸窓から見える外の風景に、本間はバーボンを飲みながらつぶやいた。
 「他の連中はなにしてるるんやろか、ちょと聞いてみたろかあ。」
 「リョウサン、リョウサン、モールスワカルカ、ワカッタラヘンジコチラホンマ」
 本間は隣に入っていった桐生の部屋に向けて丸窓の横の鉄板をバーボンのボトルで規則的にたたいた。
 「コン、ココン、コン、コン」もう一度試した。
 隣からの返事はなかった。聞こえてはいるだろうがモールスがわからないらしい。
 「あーあこれやからエリートさんは、有事には使えないんや。」と言ってグイッとバーボンをあけた。
 10秒ほどして、「テリー、オレ、ジュウベエ」というかすかなモールスが船板を伝って返ってきた。
 「おお、十兵衛がのっとる!ということは、あとの6人もおるな。」
 十兵衛とは本名、鈴木十兵衛、本間の傭兵時代の相棒で、アフガン、フォークランドでチームを組んでいた。
 彼の部下の6人もそうとうな猛者の集まりである。
 西成地区でもめごとがあった時はたいていが彼らが解決していた。西成治安維持部隊の面々が下の船倉に揃っている可能性がある。
 「ジュウベエ、ミンナイルカ」
 「7ニンミンナ、サッキノサギョウバ」
 「よっしゃ、これで勝った!あいつらがいればこの船くらいなんともないわ。
フェーペとかいうオッサンもついてへんなあ。」
 小躍りして本間は、ちょっと考えた後、またモールスを打った。
 「ガンホー、ガンホーセントウカイシ、フォーム17」
 ガンホーとは傭兵間の合い言葉で「任務遂行頑張れ」の意味である。フォーム17とは戦術のパターンのうちのひとつで、狭い範囲での敵味方が入り組んでいる場合でなおかつ暗闇の中での戦闘を意味する。つまり作戦実行は消灯後ということである。  この短いやりとりの中に、お互いしかわからない意味が多くこめられている。時間、戦闘体型、戦術等である。
 本間の体験から彼はいつも、広い野原での戦闘は「囲碁」に似ており、狭い地域の戦闘は「将棋」に似ていると考えている。
 つまり広大な場所では陣地取りになり、兵士の数の理論が先行するが、狭い地域では、少数でいかに有力な駒を持ったほうが勝つかという理論である。
 本間の好きな駒は桂馬であった。唯一「あいごま」が効かないからである。自分はいつもあいごまの効かない桂馬のようになろうと戦線を駆け回っていた。
 鉄板に耳をつけて聞いていた十兵衛はモールスで「フォーム17」と聞いただけて、自分の仕事は消灯までの安全な場所の確保と、なにか武器になるものの調達だと判断し部下の6人にその作業を徹底していた。
 「ジュウベエ、リョウカイアイズマツ」
 一番下の船倉からブリッジまで来るあいだに本間がざっと見たヒペリオン兵の数は、約100人程、できるだけ船倉にいる200人の仲間の犠牲をださずに瞬時に占領したい。しかもたった8人で隠密行動しながらであった。本間は考えた。
 以前参加した南アフリカの人質奪回作戦を想定した。あの時も相手の政府正規軍多数に対して味方は少数であった。
 「とにかく、まず銃の確保やな。相手の兵が多いという事は銃もその数だけあるという事や、その銃を200人に渡して暴れよう。しかし下のオッサンら、銃の使い方分かるかなあ。それが問題や。」
 夜の10時、消灯にはいった、なにかタガログ語で船内放送があったがもちろん意味は分からなかった。
 一斉に明かりが落とされたのを確認してから本間がドアをおもいきりたたいた
 「おい衛兵、開けてくれ。」
 「どうした?」ドア越しに聞いてきた、兵は複数いるらしい
 「苦しい!ニトロがきれた、オレの常備薬だ、早く船医を連れてきてくれ。」
 しばらく話し声がしたあと、「わかった、すぐに連れてくる。」と返事があった。
 「船医が来た、開けるぞ。」とドアが開いた
 3人の兵と船医が入ってきた「なんだ、誰もいないぞ?」
 船医を囲むようにして3人の兵士が銃を構えたままあたりをキョロキョロしてる
 「ここや!!」と天井から、さっと降りてきた本間は肘で一人の兵士の脳天を砕き、着地するやいなや廻し蹴りで、2番目の男の後頭部を直撃した。とっさに銃を構えて振り向いた3人目の腹には、脳天を砕かれた兵士の腰から奪ったゾリンゲンナイフがすでに突き刺さっていた。
 あまりにも一瞬の出来事だったので船医はなにが起こったかまだ把握できてなく、カバンをかかえてオロオロしていた。
 「オッサンは勘弁しとったるわ、ただ動けんようにはしとくで、悪いなあ。」と手刀を船医の首にふり下ろした。
 「グワッ」と意味のない言葉を発しながら船医は横たわった。
 「おやすみ、堪忍なあ。」
 さるぐつわをして、船医の手足を縛るのに一分はかからなかった。
 「昔の現役時代やったら、5人まで一瞬やったけど、もうロートルやなあ3人が限界や、まあちょうどええウオーミングアップになったわ、えーと、ウージーが3丁、パイナップルが6個とゾリンゲンが3本、弾倉6本にオッサンのメスと注射針が20本てとこか、あっ手術糸があるやんか、よう持ってきてくれましたなあ、まいどおおきに。」
 鼻歌を歌いつつ兵士の服をはぎとり着替えながら、重量20キロほどの武器を全て装着していった。
 185センチの体躯には少し窮屈だったが、久しぶりに戦闘服を着て本間はやっと気合いが入った。2、3回屈伸運動をした後
「第一次作戦終了や、これはええわ船内の地図があったわ、字は読めへんけど全部船の様子がのっとるわ」と兵士のポケットから地図を取出した。
 地図を見ながら、モールスで下の十兵衛に、船倉への通路は2ケ所である事と出入口は一ヶ所である事を伝えた。
 「ジュウ、リョウカイ」十兵衛のこの返事を聞いた後に堂々と廊下に出た。
 同じ服装の兵士が、あとの8つの各部屋の前に並んでいた。
 「大丈夫か?」と隣の部屋担当の兵士が心配して聞いてきた。
 暗いため本間を味方と思っているらしく、近づいてきた。
 「ああ、なんとかな。」といいながら、ゾリンゲンナイフをその兵士の延髄に深々と差し込んでギュッツと回す。この快感を味わうのに1秒はかからない。もちろん音はたてない。
 他の兵士はざっと廊下にだけでも約10人はいた。「ちょっと仕事やなあ」といいながら倒れこんだ兵士を部屋の中に担ぎこんで、「オーイ誰か来てくれ!」と大声で叫んだ
 「ダダダッ」と、大きな足音をたてながら兵士全員が集まってきた。
 「どうした?」とはいってきた彼らの足が、ドアにピンとはられた手術糸を切った。
 「ドッカーン」という大音響とともに全員が飛び散った。手榴弾が爆発したのだ
 「パイナップルちゃんお仕事ごくろうさん。」と、最初の3人の死体の下から本間が這い出てきた。
 「人体は手榴弾の遮蔽物にもなります、レッスン終わり、おい聞いとるか?」
 この爆発音は、下の船倉でも十分聞こえていた。同時に船内に警報のサイレンが鳴りはじめた。
 非常灯が点滅する中「よっしゃ、テリーがいよいよ始めよったぞ、お祭り開始や。」と十兵衛が叫んだ。
 けたたましいサイレンの中、非戦闘員のドヤの連中を、船倉の一番安全な所に一ヶ所に集め避難させながら、「おーいゲン、はじめろ!ロクさんいつも持ってるパチンコ玉ちょっと貸してな。」と指示をだす。
 ゲンは本名、前田源次、もと自衛隊レンジャー部隊出身であるだけに、そのすばやい身のこなしで、用意してあったフォークリフトのギアをバックに入れて鉄製のドアに疾走させた。バックのほうがギア比が大きくトルクもでかいのでぶつかった時の衝撃は大きい。
 「ドッカアーン」という轟音とともに鉄製の大きなドアが開放された。見張りの兵士2人がドアの下敷きななった。リフトの荷台には、火のついた段ボールが乗っていたのでドアの入り口一面が明るく見渡せた。暗やみの戦闘では火が有効である、全員の目が一時的に火の方に釘づけになるからであった。
 さぞかし大勢の見張りがいると想定していたのであるが、応戦してきたのはたったの5人であった。大方、上の爆発騒ぎで、集められていたのであろう。
 「なんや、さみしいお出迎えやなあ、オレ一人でええわ」といって、十兵衛はロクさんから貰った20個ほどのパチンコ玉を一斉に兵士めがけて投げ付けた。
 即席ショットガンである、3人の兵士の顔面にまとも当たった。残りの兵士がウージーで応戦してくる。
 「へたくそやなあ、とにかく全弾、撃たせろ。弾倉を替える時がチャンスだ!」  このイスラエル軍正式採用銃のウージーというのは、発射速度が速い反面、弾倉の弾がなくなるのもまた速い。全弾を撃ち尽くすまでにかかる時間は10秒ほどであった。
 そのチャンスを、十兵衛の部下たちは見逃さなかった。ヒペリオン兵はよほど訓練されてないせいか、弾の詰め替え作業の途中には、2人の兵士の命がすでになかった。
 フォークリフトの影に2人、十兵衛の部下が潜んでいたのである。まるで赤子の手をひねるように、兵士の首をへし折っていたのだ。
 「よっしゃ、上の援軍がやって来る前に、武器の確保や!」十兵衛のその言葉を待つ迄もなく、部下6人の手にはすでにヒペリオン兵の武器が調達されていた。
 「このアホ、下手くそのくせに全弾使いやがって、もたいない!」とマッキーと呼ばれる部下が死んでいる兵士の頭を蹴飛ばした。
 「よっしゃ、調達した武器の種類と数は!」
 「はい、ウージー5丁、アーマライト2丁、パイン14個、ナイフ14、コルトガバメント2丁以上です。」
 「よし、上のテリーは銃が無いかもしれんので、ガバを貸してやろう。オレはナイフでいい。マッキーとゲン、ヒロシはオレと来てくれ、残り3人はおやっさんたち連中の援護だ、とにかくこのドアを死守してくれ、テリーの報告だとここしか出入り口はないようだからからな。パインとウージー全部置いていくから頼むわ、弾のムダ使いは厳禁やでお前は昔からよう使いよったからなあ」
 「えっ、それじゃあ十さんたちの装備は?」
 「ワシはナイフだけで結構。なあに途中で現地調達するから心配せんでもええ。」
 タラップを降りてくる兵士の足音がした。
 「よっしゃ、さっそくお客や!ヒロシ殺すな、足を狙え」
 「OK、OK]
 タラップからはまず降りてくる兵士の足が見える。その足を丁寧に狙って撃ったので、五〜六人ほどがバラバラッとタラップから落ちてきた。後続の兵士は躊躇しているのか降りてこない。
 「ヒロシよう当たるようになったな、ここは頼むで!」といって十兵衛は3人を連れて別のタラップから掛けあがった。
 一方特別船室の廊下では
 「オーイ、エリートさん達よー、パーティーの時間でっせー」とテリーが格部屋の鍵をウージーで撃ちまくっては壊していった。
 「あの爆発の主は本間さんやったんか、謀反でっか?」前島が出てきた。
 「はい、ドクター、パーティーの参加賞ですわ。お医者さんでも使えまっせ。」
 「あかんて、わしは銃なんて撃った事あらへん。」
 「誰でも、最初は1回目なんや、コレが引き金、引くと、弾出る。簡単やろ?」
 「そんな、簡単に言われても・・・」しげしげと渡された銃を眺めながら前島はつぶやいたが、本間はそんな事は一切構わずに
 「よっしゃ、次はだれの部屋かな、オッ、ハーバードの相原さん。きのうの焼酎はどうもごっつあんでした。ハイこれお礼ですわ。」
 「ホンチャン、大暴れやなあ、わたしは、銃はアメリカで、何度か撃った経験がありますので、ご心配なく。」ゆっくり遊底を引きながら相原が言った。
 「生兵法ケガのもと!そういうのが一番心配や、ハイ、サッサとドアの鍵を撃っていって下さいよ、中で皆さんお待ちかねでっせ。」
 その間、何人ものヒペリオン兵が物陰から出てきては本間たちを狙ったが、もののみごとに沈黙させられてしまった。廊下に無数の兵士の死体が転がる中「バリバリバリ」と発射してはドアを蹴破っていく。
 9人が全員揃った時、背後で足音が聞こえた、「あかん、はよふせろ、物の影にはいって!」いきなり、ウージーの発射音がした、かなり正確でムダ弾が無い。さっきの連中とは違う。
 死角から跳弾を利用して撃ってくる。クッションボールの理論だ。
 応戦する手を止めながら「ちょっと待て!おーいお前たちヒペリオン兵か?」
 「その声はテリーか!無事だったんですねえ」ヒロシの声
 再会であった。「危うく同士討になるところやったな。」続いて十兵衛である。
 点滅する赤い非常灯の下で二人はガッチリ握手した。
 「お前の大好物、ガバメント持ってきてやったで。」
 「オオッ、かったるい銃で嫌気がさしとったんや、おおきに。やっぱり45口径に限るわ、破壊力が全然ちゃうわ。」
 「テリーさんやったら何使っても破壊力は一緒ちゃうんですか?」とヒロシ
 「アホンダラ、それよりあそこにエリートさんたちが集まっているから援護しててくれや、なんといっても日本の頭脳やさかいな。オレはブリッジに行ってさっきのジジイと無線機を押さえてくるわ。」
 そう言って本間は駆け上がった。しばらくしてブリッジのドアのところでまた爆発音が聞こえた。
 「テリー大活躍やなあ。」
 本間はドアを蹴破って入ったがブリッジ内に人はいなかった。いつのまにか貨物船は自動操縦で動いていたのである。
 「畜生、お山の大将はどこいきやがったんや!」
 「メーデーメーデーこちら、日本の本間、だれぞ聞いていたら応答してくれ。」無線気のマイクをつかんで本間は怒鳴った。
 応答がない
 「あかん電源が切られとる・・・」
 そのころ下の船倉では、残された3名が必死にドアを死守していた。入り口付近は、30名くらいの兵がころがっていた。
 「だんだん弾がのうなってきたで、上はあんじょううまくいっとるかのう?」
 「しかし敵さんの抵抗もだいぶ減ってきたで。」
 「そういえばそうや、さっきから援軍がけえへんようになった。」
 心配そうに顔を見合わせているといきなり船内放送が入った。
 「諸君、お見事。さきほどの船長のフェーペだ。一足先にヘリで脱出させてもらった。船内カメラで見せていただきました。さすがに本間さんスゴ腕ですねえ、感心しました。しかし外をご覧になってから凱歌をあげて下さい。皆さんのヒペリオンへのお越しを心からお待ちしております。ちなみに皆さんが今戦ったのはヒペリオン陸軍大学の新兵です。彼らの卒業試験につきあっていただきありがとうございました。」
 「なんやと!」
 全員が外を見た。真っ暗の海上にヒューンと照明弾が上がりあたりが真昼のようになった。「あかん!終わりや・・・」本間がうめくように言った。
 「最新鋭イージス艦や、しかも4隻・・・」
 いきなり4隻のイージス艦の砲塔と魚雷発射管がゆっくりこちらを向いた。
 「テリーなに弱気ゆうてんねん、最後まで戦おうや!」と後からブリッジに駆け上がってきた十兵衛が言った
 「あいつら本気や、あの60センチ魚雷をくらっては船倉に大穴があく、われわれはともかく、下のみんなを巻き添えにはできへん・・・降伏や。」
 「しかし、せっかくここまで戦ったんやから・・・」と相原が聞いた。
 「おい、森のオヤジ、やっこサンの装備、みんなに説明したってくれ。」
 「よっしゃ、最新鋭イージス艦、速力30ノット、排水トン数6500トン、主砲20センチ砲6門、対空ミサイル3基、12、7センチガトリング砲10門、60センチ魚雷発射管6門、あと『ハリネズミ』ヘッジホッグが積んであるはずや、あれはようさん、うちが売って儲けたやつや。」
 ブリッジに白旗が上がったのは5分後であった。

 次の日、ドヤ街では働きに行ったきりリーダー各の9名を含め約200名が帰ってこないので町中大騒ぎとなった。
 「リョウサン、森のオヤジ、ホンチャン、タニヤン、ヒデサン、北川の坊主、ドクター、トンサン、ミスターみんなどこいったんやあ!」
 翌日の新聞には小さく記事が載っただけであった。
 「大阪市西成区で集団移住か?住民が多数よその地域に出稼ぎした模様。」
 なぜか警察もマスコミもその原因追求には消極的であった。


・   ヒペリオン入国    ・

 それから丸5日間かけて、本間たちを乗せた貨物船は、4隻のイージス艦に護衛されて南シナ海のヒペリオン共和国本土「エウロペ港」に到着した。
 日本時間の朝9時ぐらいであろうか、南国の太陽がまぶしく照りつける中、接岸作業を甲板から眺めながら
 「ついにアウシュビッツ到着か・・・」本間はつぶやいた
 「やっぱり全員死刑ですかねえ。」と一番若い北川が泣きそうな顔で聞いた
 「わからへん、出方次第ではもう一戦交えよう
 白い布をかけられた兵士の遺体が、次から次へとボートに運びだされるのを見て「あんだけの兵士を殺したんや、まちがいなく死刑やろう。」と桐生が答えた
 「では、それならなぜわざわざ本国まで呼ぶ必要がある?殺すなら洋上でもできただろうに・・・」と東野が聞いた。
 さまざまな憶測が飛びかう中、貨物船はゆっくりと重装備の兵士がとりまく桟橋に接岸した。

                                 続く....



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